LA VIE EN ( ラヴィアン・牛久) の日記
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光陰
2016.02.04
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そのお客様はふらりと店に入っていらした。
こんな暇な日にありがたい、ん?見覚えがある。
自分としたことがお客様の名前を忘れるなんて情けない…そして申し訳ない。
瞬時に頭を巡らせる。ダメだ、名前が出てこない、どうしよう。
お客様の方は小さく頭を下げてくださる。
完全に自分と面識がある。
ヤバい、なんて声をかけたらいい?
お客様がお手洗いに立った。
声をかけてみよう。
思い切って立ち上がった時、そのお客様が満面の笑みで手を差し出して下さった。
「いやあお久しぶりです。俺のこと覚えてくださったんですね」
あ!一気に記憶が蘇る。
当時勤めてたみんなの顔までもが蘇る。
そのお客様は10年ほど前、半年くらい我がラヴィに働いていたボーイだ。
すっかり立派になり見違えた。
元気にしてたのか?
自分は常々こう考えている。
辞めたスタッフが遊びにも来れないようなら、
決していい店とは言えないのではないか?
せっかく縁あってうちで働いてくれたのだから、
実家を素通りするような、上辺だけの付き合いにはしたくない、と。
彼はラヴィを覚えていてくれた。
そして立派になりこの店に足を向けてくれた。
…今日の酒はうまい。